新型コロナの検査に使われる「PCR」ってそもそも何ぞ?何の略でどんな方法なのか

生き物

こんにちは、線香花火です!

新型コロナウイルスのニュースで必ずと言って聞く「PCR検査」ですが、どのような意味なのか知らず、今までスルーしてきた人も多いのではないでしょうか。

実は高校の理系コースなどで生物を選択していれば習うのですが、今回は生物基礎までしか習わなかった人向けにPCRについて解説したいと思います。

PCRについて知りたい方はもちろん、PCRに用いる酵素についても解説したので、ぜひ最後までご覧ください。

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そもそもDNA、RNAって何?

PCRとは何かの話をするにあたって、まずはDNAとRNAについて知ってもらう必要があります。

DNAは「何となく、体の設計図だってことは知ってる」という人が多く、実際この認識は合っています。

実はDNAとは「核酸」という酸性物質の1つで、正式名称は「デオキシリボ核酸」です。また、DNAは「リン酸」「糖」「塩基」から成りますが、この「塩基」は「アデニン(A)」「グアニン(G)」「シトシン(C)」「チミン(T)」という4種類があり、この組み合わせによって体の設計図を構成しています。

また、このAGCTのうち、AはTと、GはCとそれぞれくっつく性質を持っています。DNAは二重らせん構造をとっていますが、2本のDNAがお互いに離れないのはこれらが結合しているためです。

一方、RNA(リボ核酸)も同じく核酸の1種なのですが、RNAには塩基としてTの代わりに「ウラシル(U)」が存在しています。

また、DNAは比較的安定な存在であるのに対し、RNAは不安定な存在としても知られています。それを示す性質の1つとして、DNAはアルカリに対しても安定であるのに対し、RNAは容易に分解されてしまいます(加水分解)。すぐに分解されてしまう性質のせいで、今までmRNAワクチンが実用化されなかったといわれています。

そして私たちの体内においてRNAは3種類存在することが知られていて、DNAの遺伝情報がコピーされておりタンパク質合成の設計図になる「mRNA」、アミノ酸を運ぶ役割を持つ「tRNA」、リボソームと呼ばれる期間を構成する「rRNA」などがあります。

mRNAワクチンは、人工的に作ったmRNAをもとにウイルスの体の一部分と同じものを作り出すという効果のものということになります。

真核生物、原核生物、ウイルス

我々の体の中においては、DNAは細胞内の「核」と呼ばれる器官に格納されています。このように核を持つ生物を真核生物と呼び、哺乳類や鳥類、魚類などが属する「脊椎動物」は真核生物です。

一方で核を持たない生物も自然界には存在していて、それらは「原核生物」と呼びます。身近なところでいうと、我々の体内にも存在する大腸菌は原核生物です。核を持たない原核生物の体内では、細胞中に核酸が浮遊しているような状態で存在しています。

また、新型コロナウイルスのようなウイルスでは、DNAの代わりにRNAが使われている場合もあります。その一方で、我々と同じようにDNAを使うウイルスもあります。

余談ですが、ウイルスは、そもそも生物ではないとされます。その理由としてそもそも細胞の形をとっていないこと(細胞膜が無く、タンパク質の殻で覆われている)、自己増殖ができないこと(生物に感染し、その生物のタンパク質合成器官などを間借りして増殖する)、エネルギーを合成したり、使用したりしないことなどが挙げられます。

PCRって何の略?

そもそも、私たちの体内では絶えず細胞が分裂しており、そのたびにDNAが倍に増えています。その仕組みを利用した手法が「PCR」です。

PCRとは、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)の略で、「DNAポリメラーゼ」という酵素を用い、鋳型とする特定のDNA断片を短時間で大量に増幅させる方法です。1983年にキャリーマリス氏によって発明された、比較的新しい手法です。

通常のポリメラーゼ反応ではそこまで高速に大量に増やすということはできないのですが、このPCR法では温度を上げることでDNAの結合を解く、一定温度を言って時間維持することで反応を促進するなど、特殊な方法が取られます。余談ですが、このPCR法を発明したキャリーマリス氏はドライブ中にアイデアを思い付いたとされ、また無類のサーフィン好きでもあったことから「サーファーにノーベル賞!」というような報道もされたり・・・という中々ユニークな人物です。

また、基本的にPCRはDNA断片を対象として増幅を行いますが、RT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)ではRNAを鋳型とすることができます。

新型コロナの検査として行われるPCR検査は、新型コロナウイルスが持つ特有の遺伝子をPCRで大量に増やすことでウイルスに感染しているかどうかを判別する方法です。コロナウイルスの遺伝情報はRNAに含まれていますので、コロナウイルスの検出に使われているのはRT-PCR法です。

ポリメラーゼとは

ポリメラーゼとは、DNAやRNAのように長い鎖状の核酸を合成するための酵素です。

我々の体の中でDNAを合成する際には、まず二本鎖(二重らせん)状になっているDNAを剥がし、一本鎖状になったそれぞれのDNAを鋳型として対応するもう1本のDNAを合成します。これにより、1組の二本鎖DNAから、二組の二本鎖DNAを合成することができます。

研究成果:群馬大学・秋田大学連携グローバルCOEプログラム 生体調節シグナルの統合的研究 (gunma-u.ac.jp)より

酵素とは

酵素とは、体の中で起こる様々な化学反応を触媒するタンパク質のことを指します。

触媒と聞いて、中学や高校でオキシドール(薄い過酸化水素水)に酸化マンガンを入れる実験をした記憶が蘇った人もいるのではないでしょうか。酸化マンガンは無機物ですが、生体触媒である酵素は「そのもの自身は変化しないが、化学反応の速度を上げる効果がある」という触媒の特性を持っています。

また、その化学反応の種類によっては、酵素自身と反応させる対象の物質(基質)の他に「補酵素」と呼ばれる物質が必要な場合があります。

なお、補酵素の多くはビタミンから作られるため、ビタミンが不足すると体内で起こるはずの化学反応が進まないということになります。炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素だけでなく、ビタミンミネラルも取りましょうと言われるのはこのような背景があるためです。

最後に

ということで、今回はニュースでよく聞くPCRとは何なのかについて、DNAや酵素などの要素も含めて解説してみました。

DNAやRNA、酵素は非常に奥が深いので、体内でどんな反応が起こっているのか、興味があれば調べてみてください。私も今後、復習を兼ねて記事にしていきたいと思います。

以上、線香花火でした!

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