DSD(性分化疾患)の選手がスポーツで活躍することへの障害・パラリンピックにおける性

SNSの発達により、トランスジェンダーやセクシャルマイノリティの人達の存在は知っている。でも、実際に会ったことも、話したこともない。まして、昨今のニュースを見るまでDSD(性分化疾患:Differences of sex development)という言葉すら知らなかった。

いや、もしかしたら、あったことも話したこともあるかもしれないが、本人達は差別を恐れて告白していないだけなのかもしれない。

冷静に考えてみれば、自分がどんな人が好きとか他人にへらへらと喋るのは私も好きではない。ましてや、自分にどんな性器が付いているなんて話すのは論外だ。

そんな「現代社会において問題提起されていることは知っているが、自分の想像しづらい問題」の1つが「スポーツ競技における性別の問題」である。

よくニュースで目にするのが、女性選手として出場した選手が実は両性具有であると検査で発覚したことの是非について。

先日、Twitter上で「大学の講義でスポーツの性別問題についての問いが出題された」というツイートが拡散されており、リプライや引用では様々な意見が見られた。

いずれにしても、難しい問題である。

本人は自分が女性だと信じて今まで生きてきたのに、ある日突然検査によって「あなたは男性です」と告げられ、女子競技への出場を拒否される。または、手術を強制される。

また、今までスポーツで結果を出せていたのは、自分の実力ではなく男性ホルモンのせいなのではないかという疑念に駆られる。

手術をしたら活躍できなくなるのではないかと思い、拒否する(単に、臓器の摘出という高侵襲な手術を受けたくないという動機も大きいだろうが)。

また、パラリンピックにおいてはどうだろうか。

パラリンピックにおいては「障がい者のスポーツ大会」という面のみが強調され、その競技者の性がどうこうというのは気にされないことが多いように感じる。オリンピックなどでは上記のように散々問題にされているのに、である。

そもそも、パラリンピックの選手についてそのようなことが問題だとは、本人たちでさえ認識していないのかもしれない。しかし、両性具有は2000人に1人というそれなりに高い確率で起こるはずで、パラリンピック参加者にもそのような人がいてもおかしくはないはずである。

基本的にパラリンピックにおいても男女で競技が分かれている。その理由は身体的機能が男女間で異なるということが主であろう。

障がい者はそもそも障がいの程度が個人により身体能力が大きく変わることが、障がい者スポーツにおける性別問題にもやをかける要因となっているのではないだろうか。

これらの問題は、解決不可能なのではないかと思ってしまう。思いつく解決策が、「男子競技」「女子競技」に加えて「DSD競技」を設けるか、本人が生まれてすぐに検査でDSDかどうかを判別し、ホルモン抑制剤を飲ませ続けるくらいしか案が出ない。

もしくは、男性ホルモン注射などでドーピングすることを可能にし、DSD側に合わせることもあり得るか。

こんなにも案が出ないのは私の頭の固さゆえな部分が大きいと思うので、まあなんとも情けない話である。いい案がある人がいれば教えてほしい。

いずれ、他の選手側からの不満や世間からのバッシング、大会運営側の規制がDSDの選手を縛り付ける。

やはり、少数派側が変化を受け入れると問題解決は早い場合が多い。この場合だと、ホルモン抑制剤を使う、自認していない方の性器を摘出するなどが考えられる。

それで良いのだろうか。健全な社会とは言えないような気がする。しかし、乗り越えるべき壁が多すぎるのだ。

かといって、もっと良い解決策が思いつかない自分がもどかしい。

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