昨冬インフルが流行らなかったのはなぜ?今年はどうなる?コロナとウイルス干渉について解説

冬の感染症と言えば何が思いつきますか?

多くの人の頭に浮かぶのはインフルエンザだと思います。

しかし、昨年はインフルエンザの感染者が例年に比べ極端に少なかったですね。

それを「インフル患者をコロナにカウントしてる!コロナは存在しない!」と主張する人もいますが、ちょっと待ってください。

今回は、「ウイルス干渉」の仕組みについて解説したいと思います。

なぜコロナ禍ではインフルエンザが流行しないのかわかる内容にしましたので、ぜひ最後まで読んでみてください!

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コロナ禍でインフルが流行らない原因の1つ「ウイルス干渉」

コロナ禍でインフルエンザの患者が多くならないことには原因がいくつか考えられます。

まずは感染対策の徹底。これにより、コロナだけでなくインフルエンザを含む様々な感染症の流行が抑制されています。間違いなく、マスク着用率の飛躍的な向上と種子消毒の徹底による功績は大きいでしょう。

次に医療機関への受診控え。「コロナ患者がいるかもしれないところへ行ってられるか!多少の風邪なら家で治すぞ!」というような患者は例年より多いことが予想されます。ただ、例年だとインフルにかかっても重大視せず平気で出社するような人もいたわけですから、そこまで影響は大きくないとも考えられます。

そして本題である「ウイルス干渉」による影響です。

ウイルス干渉とは、あるウイルスが宿主となる生物に感染していると、他のウイルスに感染しづらくなるという現象のことを指します。

例えば、コロナウイルスが流行していない例年において、インフルエンザは夏には流行せず冬にのみ流行することもウイルス干渉の結果であると考えられています。(Interference between rhinovirus and influenza A virus: a clinical data analysis and experimental infection study – The Lancet Microbe)。

ウイルス干渉の仕組み

ウイルス干渉が起こるには細かく分けると様々な要因があると考えられていますが、共通するのは「ウイルスの増殖に必要な成分を奪い合うことで起こる」ということです。

ウイルスは生物ではないため、自律的に増殖することができません。そのため、生物細胞に感染して、その中の向上を乗っ取るわけなのですが、一方のウイルスが既に体中の向上を乗っ取ってしまっていると、入り込む余地がなくなってしまうために感染しづらくなるという仕組みです。

一方で、ウイルスがどの条件でより活発になり、他のウイルスを追い出しやすくなるかといった個々の事象については、現在でも分かっていない部分が多いです。新型コロナウイルスという未知のウイルスならなおさらです。

今年の冬はインフルエンザは流行る?

今回のタイトルにもした、今冬のインフルエンザの流行についてです。

結論から言うと、今後のコロナウイルスの流行状態にもよるとしか言えませんが、ワクチンの接種率がかなり上がっており、10月末には8割程度の人が接種を終えるとも言われていますので、新型コロナウイルス自体の流行は今後収束していくと考えられます。

ところで、10月末といえばちょうどインフルエンザの流行し始める時期と被りますね。

そして、基本的にコロナウイルスのワクチンとインフルエンザのワクチンは1~2週間程度感覚を空けるのが良いとされることが今は多いようです。

以上のような状況があるため、「ワクチンのおかげでコロナには罹らなかったけど、インフルには罹っちゃった」という人が増加する可能性は十分考えられます。

もちろん、以前と比べて国をまたいでの移動も厳しくなり、海外からインフルエンザが持ち込まれる危険はある程度少なくなったとは言えますが、油断は禁物です。

マスク生活はまだまだ続きそうですね……

そろそろ各医療機関でインフルエンザの予防接種が始まる時期ですので、この記事を読まれた方はお近くの医療機関に確認してみてはいかがでしょうか。

参考

インフルエンザ患者激減 新型コロナとの同時流行気配なし?「ウイルス干渉」の可能性も:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

コロナとインフルエンザのウイルス干渉について|内科リーレクリニック大手町 | リーレクリニック大手町 (lireclinic.com)

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