こんにちは、線香花火です!
今回は、モンハンライズに登場する環境生物の1つである「ウミウシボウズ」について、解説と考察をしていきたいと思います。
「ウミウシボウズって名前なんだし、ウミウシの1種じゃないの?」と思っている方がほとんどだと思いますが、特徴から考えるとそうでない可能性も高いのです。
是非最後まで読んでみてください。
ウミウシボウズの概要
モンハンライズのフィールドのうち、大社跡、寒冷群島、砂原、水没林、溶岩洞には1種ずつレア環境生物が配置されており、今回紹介するウミウシボウズもそのうちの1種です。
ウミウシボウズは寒冷群島に登場しますが、時間帯は夜に限定され、確率も低いことから、長時間粘らないと姿を見ることはできません。この記事を読んでいる方の中にも、「存在は知っているけど、自分の目で見たことは無い・・・」という方も多くいらっしゃると思います。
そんなウミウシボウズの名前の由来は「ウミウシ」+「海坊主」だと思われます。
ウミウシとは巻貝の仲間で、貝殻が消失しているもしくは小さくなって見えないものがほとんどです。その多くは肉食とされています。
一方の海坊主は海に住む妖怪または怪異として恐れられており、夜に出没して船を破壊してしまうという伝承が残っているようです。「海入道」などと呼ばれることもあり、大きさは数mから数十mもある巨体であったと伝えられています。
モンハンライズに登場するウミウシボウズは、海坊主のような巨体を持った(実際どれくらいあるんでしょう?)ウミウシのような特徴を持った軟体動物として描かれており、上記の二者の特徴を上手く落とし込んでいるように見えます。
ウミウシボウズの謎
そんなウミウシボウズですが、「ウミウシである」という前提で考えてしまうと、よく分からない謎の部分が3つ存在します。
1.発光する
図鑑説明にもありますが、ウミウシボウズの目のように見える2つの点は、目ではなく発光しているものです。こちらからのジェスチャーに反応するくらいなので別にある目の視力は優れていると考えられますが、それにしても目のように見える部分は何の意味があるのか。
2.咆哮する
無脊椎動物であり、呼吸もエラ呼吸であるウミウシ。ウミウシボウズが咆哮するのは一体どのような原理なのでしょうか。
3.巨体である
巨体ゆえに海坊主の名前を冠してはいますが、どうしてただの軟体動物がここまで巨体になったのかについて、明確な理由は分かっていません。
考察
1(発光)について
現実世界には大きく分けて①自力で発光する生物、②共生するバクテリアなどに発光させている生物、③他生物から発光能力を奪う生物の3種類の存在が知られています。
①についてはホタルやヤコウタケなど、②はチョウチンアンコウなどが知られています。そして③は比較的発見が新しく、キンメモドキというスズキ目の魚がウミホタルを食べることで行うことが2020年に発表されました(共同発表:餌生物から酵素を盗み利用する生物を発見~キンメモドキは食べたウミホタルの酵素をそのまま使って発光する~ (jst.go.jp)およびKleptoprotein bioluminescence: Parapriacanthus fish obtain luciferase from ostracod prey | Science Advances (sciencemag.org))。
③は以前紹介した「盗葉緑体現象」に似た「盗たんぱく質現象」により起こっていると考えられています。これは、通常は消化されてしまう発光酵素を取り込み、そのまま自信を光らせてしまうという現象です。キンメモドキにおいては、自身の腹部分を光らせることで海底から見える自分の姿をごまかしている(カウンターイルミネーション)と考えられています。
ではウミウシボウズは①~③のうちどれかというと、いずれもあり得ると考えられます。ちゃんと調べたいなら遺伝子配列とかから探さないといけないんじゃないかなぁ。さすがにヒントが少なすぎる・・・
一方で、ウミウシボウズは夜に海面付近に浮上してきてイカを食べるという情報もあります。そして、現実のイカは漁火のような光に寄って来る習性があります。
ひょっとしたらですが、イカを食べたことによって得た発光能力でさらにイカを捕まえて・・・というループだったりしませんかね。だとしたら、「食べられたイカも仲間と一緒になれて幸せだよ!」とか思ってたりしないかなこのボウズ。
2(咆哮)について
そもそも生物の「鳴き声」はどうやって出ているのでしょうか。
人間などの動物は声帯を持っており、そこから声を出すことができます。
また、鳥は声帯を持たないものの、似た器官である「鳴管」に空気を通すことで発生します。
これらと変わった形の鳴き声を発する生物としてはイルカのように呼気孔を震わせているもの、虫のように羽などの器官をこすり合わせて音を出しているものなどがあります。
上記の中で仲間外れは虫だけであり、その他は呼吸のついでに音を出しているという仕組みです。
そして、ウミウシボウズを見たところ、虫の羽のようにこすり合わせる器官は持っていないようです。つまり、ウミウシボウズは肺呼吸であると考えられます。
水中に住む肺呼吸生物に共通する特徴として、「肺活量が非常に高く、かなり長い時間潜っていられる」というものがあります。ウミウシボウズが1日に1度イカの捕食と同時に呼吸も行っていると考えれば、呼吸のタイミングについても納得できます。
その一方で、ウミウシボウズが肺呼吸と考えることに問題もあります。ウミウシを始め、貝類は基本的にエラ呼吸なのです。
ウミウシでなくともタコともクラゲともクリオネとも取れるような外見ではありますが、残念ながらこのあたりも肺呼吸ではありません。
では一体何なのかというと、筆者としては「ウミウシボウズは水棲のナメクジまたはカタツムリである」と考えます(ウミウシの英名が「sea slug」なので、元から「海のナメクジ」と名前ではありますが・・・)。
ナメクジは「蛞蝓」、カタツムリは「蝸牛」と漢字で書くように、これらを虫、特に芋虫の仲間だと思われるかもしれませんが実は違います。これらはウミウシと同じく巻貝の仲間で、元々は海に住んでいたものが陸に上がり、肺呼吸を獲得したと言われています。
もちろん、現実のナメクジやカタツムリに発声能力はありませんが(あの見た目で鳴かれても怖いし)、巨大化する過程で声帯のようなな器官を獲得していてもおかしくありません。
そしてウミウシボウズのモデルについてはこちらのゆるふわ生物学チャンネル様の配信動画が非常に興味深いです。
こちらの動画では「顔に見える部分は背中で、進んでいる方向にあるのが頭だと思われる」「イソアワモチ(カタツムリなどの仲間で肺を持つ)の仲間にも見える」というお話もあり、上記の説を補強します。
背中の顔に見える部分はカタツムリでいう殻の部分だと考えると、位置的にもピッタリですね。
余談ですが、「イソアワモチはウミウシなどとは違う独特な感触がある」「足が発達していると思われる」というお話もありました。水中に隠れているだけで、実はウミウシボウズにも立派な足があるのかもしれません。
3(巨体)について
「ベルクマンの法則」をご存じの方も多いと思います。哺乳類や鳥類といった恒温動物は、寒冷地になるほど体格が大きくなるというものです。寒冷群島は文字通りの寒冷地ですので、この法則が当てはまる生物も多いと考えられます。例えば、哺乳類的な動物だと思われるポポは、総職種にしてはかなり大きいです。
ただ、ウミウシもナメクジも現実では変温動物であるためこの法則は当てはまらないように思えます・・・
寒冷群島という良い食事場を占領できることでどんどん大きくなることができた説がひとまずは有力なところでしょうか。また、大きくなったことで捕食される機会を減らす効果もありそうです。
進化の過程でウミウシボウズも恒温動物となった可能性も、低いとは思われますが否定もできません。
いずれにしても、あの巨体の体温を保つためには相当なエネルギーが必要なことと思われます。
どのように進化した?
1~3を総合すると、ウミウシボウズの進化の順序は以下のようになります
①巻貝が陸に上がり、肺呼吸を獲得する。
②カタツムリもしくはナメクジへと進化する。
③?寒冷地へ移動し、イカを食べるようになる。
④?水中へ戻る
⑤?発光能力を獲得する。
⑥?巨大化する。
⑦?発声器官を獲得する。
クエスチョンマークを付けている番号のところは、前後する可能性があります。イカを食べた結果得た発光能力なのか否か、発声器官をいつ獲得したかなど、不確定要素はいくつもありますので、モンハン世界での研究が今後進むことを祈ります・・・
まとめ
・ウミウシボウズはナメクジやカタツムリの仲間
・光ることでイカをおびき寄せている?
・大きくなったことで生存に有利な効果がある?
今後公式から出る資料集などでより詳しい設定が見れたらいいな〜
以上、線香花火でした!
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