昨日、お笑い芸人のブラックマヨネーズの吉田さんのツイートが僕のタイムラインまで流れてきた。
吉田さんはベテランと言っても差し支えないような芸人であるため、様々な情報番組にコメンテーターとして出演するのだろう。
その際、長尾先生の話を聞いて、色々と納得したところもあったのだろう。
でも、長尾先生の「私はコロナ患者を500人以上診た」という話は、科学の世界ではそこまで大きな意味を持たないのだ。
例えば、ファイザー社のコロナワクチンである「コミナティ筋注」の治験には43448人が参加したと、論文にて発表されている。このような数字と比べたら、500人などは個人の主観の範囲を出ない数字だというのが分かるだろう。
そもそも、論文とは何か分かるだろうか。あらゆる学術において、何かを主張するには論文を発表するなり、学会発表をするなりしなければならない。これはやって当然のことであり、医学についても例に漏れない。
しかも、論文として研究を発表するためには、第三者の「査読」が必要となる。これにより、内容の正確性、信頼性を保つことに繋がる。
「もっと大きなデーターということですか?」とあなたは言った。まさにその通りだ。
この点については、薬剤師のFizz-DI先生の図解が分かりやすい。
確かに、長尾先生はクリニックの医師でありながら最前線でコロナ感染者の診療にあたっており、この姿勢は評価されるべきである。しかし、その診療に用いられる手段が間違っていては元も子もない。
「無能な働き者は責任ある立場につかせてはならない」という言葉があるように、間違った努力は何も生まない、もしくは悪い結果を生み出す。イベルメクチンは新型コロナには効かないというのが、多くの医師の共通認識である。そんな中、むやみにそんな薬を使い、別の害が起こるとは考えられないのか。そのような批判を受けても立場を変えないのが長尾先生なのである。
何度でも言うが、積極的にコロナ患者を診るという姿勢は評価すべきである。しかし、その方法を間違えたまま突き進む人を丸ごと賛美するのは、違うと思う。
誰も、長尾先生の人格を否定しようとは思っていない。長尾先生や吉田さんの人格を否定したいがために、あなたに噛みついているわけではない。知識不足をあざ笑う連中はいるようだが、気にしないでほしい。
ただ、知ってほしいのは「私はコロナ患者を500人以上診た」という言葉には「だから私の発言にはそこらの医者よりも説得力がある」という真意が隠れている。あえて世間や医師たちの風潮から逆張りしたその話は、何か別のことに誘導されていないだろうか。
このことに限ったことではないが、「本当にそれは正しいのか」ということを考えることで、何が正しいのか気づきやすくなると思う。
ネットワークが高度に発達した時代だ。もう、個人の経験だけが重要視される時代ではほとんどないのだ。気づいてくれ。
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